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油なしでも、満足感のあるおかずは作れます

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「月刊おいしい健康」 では、おいしい健康の管理栄養士が毎月テーマを決めてレシピを考案している記事があります。「おいしい」と感じることをあきらめてほしくない。「食べたい」という気持ちを大切にしてほしい。そんな思いを込めたページです。2月号は「正月太りに待ったをかける無油主菜」。体重が気になる方におすすめのおかずがそろっています。

無油でもおいしく仕上がるコツは3つ

年末年始のお休みや、長く続いているリモートワーク。家にいる時間が増えると、運動不足になりがちです。そろそろ体重が気になってきた方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに、月刊おいしい健康の第2特集「無油主菜」をお届けします。

油を使わないということは、そのぶんカロリー(エネルギー量)を抑えることができます。とはいえ、食材がパサついてしまったり、コクや食べ応えがなくなったりしてしまうのでは意味がありません。「おいしい」から、食事が楽しくなって、体も心も健やかでいられるのです。

揚げ物や炒め物でも、油を使わずともおいしくできる方法はないかと、おいしい健康の管理栄養士は頭をひねりました。あれこれ試して、たどり着いたコツは3つ。

1. 素材そのものの油を利用する
肉や魚は、部位によって油を多く含んでいます。たとえば、から揚げに使った鶏肉の皮や、麻婆豆腐の豚ひき肉がそうです。加熱するとじわじわと出てくる油をいかしました。

2. トースターや電子レンジをうまく使う
油を使わずにフライパンで炒めてしまうと、どうしても焦げ付いたりパサついたりしてしまいます。トースターや電子レンジで加熱することで、油なしでもしっとり仕上がるレシピにしました。

3. 調味料をしっかり揉み込む
あっさりしすぎて物足りないということがないよう、しっかり味付けを。とはいえ、調味料を増やしてしまっては塩分が高くなって本末転倒です。少ない調味料でもしっかり揉み込むことで満足感ある一品に。

すぐに取り入れられる工夫が満載です

それぞれのレシピについて、ポイントやコツを紹介します。

●揚げなくてもカリッと香ばしい「油を使わない 鶏のから揚げ」
から揚げは、必ずしも揚げる必要はありません。粉をまぶしたら、あとはトースターで焼くだけ。まるで揚げたような香ばしさと、カリッとした食感を味わえます。ポイントは、皮つきの鶏もも肉を使うこと。皮から油が滲み出て、揚げ物のように仕上がるのです。さらに、余分な油を吸わないので、時間が経っても、油が滲み出てべちゃっとなることがありません。お弁当のおかずにもぴったりです。揚げ物をするとつい面倒に感じる油の後処理もなし。

●深みのある味わい「電子レンジで 麻婆豆腐」
油で炒めることなくできあがる麻婆豆腐。調味料を混ぜ合わせ、電子レンジでチンするだけ。油を使わないとコクがないのではないかと思うかもしれませんが、豚ひき肉の油があるので大丈夫。さらに、甜麺醤やしょうがやにんにくなど、調味料や香味野菜を使って深みのある味わいになっています。

●脂質を抑えてもおいしい「たらのチーズクリーム煮」
さらりとしたクリームシチューのような仕上がりです。一般的には、ホワイトソースにバターを使いますが、片栗粉とじゃがいもでとろみを出すことができるので、脂質を抑えられます。そのぶん、チーズを加えてコクをプラス。鍋に材料を入れて煮るだけと手軽にできる一品です。

●蒸し煮にするのがポイント「油を使わないソース焼きそば」
「油で炒める」という焼きそばのセオリーを打ち破ります。あらかじめ麺にコーティングされている油を生かし、最初に電子レンジで加熱。すると、一気にほぐれやすくなり、油なしでもフライパンにこびりつきません。さらに野菜と豚肉は炒めずに蒸し煮にすることで、パサつかずにしっとりし、旨味もたっぷり味わえます。

●トースターでおいしく「鮭とかぶのマスタード焼き」
加熱する際、フライパンを使わずにトースターを活用。油を加えないとどうしてもパサついてしまうのですが、脂ののった旬の鮭と水分の多いかぶなら安心です。さらに少しの砂糖を加えているのもポイント。保水性がアップして、しっとり仕上がります。香りの高い粒マスタードで物足りなさも感じません。

油をおさえながら、おいしさもあきらめずに考えたレシピばかりです。ぜひ作ってみてください。

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士