塩にカロリーはあるの?摂っていい量は?
公開日:
2016年6月6日
最終更新日:
2021年1月22日
塩は調味料の基本
料理の味付けで最も重要な「塩加減」。塩は素材の味をシンプルに楽しめる調味料ですが、塩加減ひとつで料理の仕上がりに大きな違いが出てきます。今回はとっても奥深い塩について、詳しくご紹介します。
日本の塩作りの歴史
日本で塩を作り始めたのは、縄文時代の終わり頃といわれています。最初は海藻を燃やした時に出る、塩分が含まれた灰を塩として使っていました。その後、乾燥させた海藻に海水をかけて塩分の濃い塩水を作り、土器で煮詰めて塩を作っていました。これが、日本の塩づくりの原点とも呼ばれる製塩法「藻塩焼き」です。
そうして徐々に製法が確立され、現在のように多くの種類の塩を誰でも手軽に楽しめるようになりました。
塩の種類
塩の種類は、大きく分けて海水から作る「海塩」と山から掘り出す「岩塩」の2種類があります。さらに、製法や塩の粒の大きさ、主成分である塩化ナトリウムの純度などによっても味に違いがあります。好みや用途に応じて使い分けをするのも楽しいですね。
精製塩
食塩、クッキングソルトなどもこの仲間です。純度が高いので、クセがなく料理全般に適しています。粒子が小さくサラサラしているので、下味に少量ふりかけるのに使いやすいです。
平釜塩
海水を釜で煮詰めて作る塩。日本の海塩は、ほとんどがこの製法です。しっとりとした海塩は和食によく合います。また、粗塩タイプは食品にくっつきやすい性質があります。
焼き塩
塩を高温で焼き、水分を含みやすいにがり成分を変化させ、サラサラの状態にした塩。食卓塩として用いたり、にがり成分にこだわった焼き塩は、淡白な素材の持ち味を引き立てるといわれています。
パウダー状の塩
海水を瞬時に結晶化させた、非常にきめ細かい塩。まろやかで、ドレッシング作りや天ぷらなどのつけ塩としても使いやすいです。
岩塩
地中に埋もれている岩塩層の塩。ほとんどが海外産で、一般的な白色でなく薄く色がついているものもあります。ステーキなどの肉料理の味を引き立てると言われています。
塩の栄養
塩の主成分は塩化ナトリウムです。私たちが日常食べている塩は、種類によってカリウムやカルシウム、マグネシウムなどを少量含んでいます。たんぱく質や脂質、炭水化物は含まれていなので、カロリーはゼロです。
では塩化ナトリウムは体内でどのような働きをするのでしょうか?塩化ナトリウムは、体内に入るとナトリウムイオンと塩素イオンに変わり、体液の浸透圧を調整し、イオンのバランスを保つ役割を持っています。
しかし、塩分を摂りすぎるとむくみや血圧上昇を招くおそれがあります。さらに、胃がんのリスクも上がるといわれています。
厚生労働省公表の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日のナトリウム(食塩相当量)の摂取目標量を、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満としています。 また、高血圧や慢性腎臓病(CKD)のためには、1日6g未満がいいとされています。
ちなみに、塩ひとつまみは約1g。となると、1食に摂れる量は2つまみくらい。意外と少ないことがわかります。塩を使うときは、あまり多くの量を使いすぎないように心がけましょう。
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