【管理栄養士監修】妊娠中の体重管理、増えすぎたらどうすればいい? 食べ方のポイントは?
公開日: 2021年8月30日
妊娠中は、目指すべき体重増加量があります。 それを超えて急激に増えすぎてしまったときは、妊娠糖尿病などさまざまなリスクを招いてしまう可能性も。 どのように対処すればいいのでしょうか? 今回は妊娠中、急激に体重増加してしまったときにおすすめな「食べ方のコツ」を解説します。
1.妊娠中の体重増加の目安は?
2.妊娠中のダイエットはやめましょう。体重の増えすぎを防ぐ食べ方のコツ
2-1.規則正しく3食とる
2-2.肉は脂身の少ない部位を選ぶ
2-3.油を使わない調理法を選ぶ
2-4.歯ごたえのある食材を食べる
2-5.野菜たっぷりのサラダで見た目のボリュームを増やす
2-6.最初に野菜たっぷりの汁物を食べる
2-7.遅い時間に食べないようにする
3.妊娠中、体重が増えやすいのはいつ?
3-1.つわりが明けたとき
3-2.産休に入ったとき
3-3.里帰りをしたとき
4.妊娠中の体重管理、おすすめレシピ
5.まとめ
1.妊娠中の体重増加の目安は?
妊娠中、おなかの赤ちゃんが健康に育つためには、どのくらい体重が増えるといいのでしょうか? 妊娠中に目指すべき体重増加量は、妊娠前のBMI(体格指数)によって決まります。
BMIの計算方法はこちら。
妊娠前のBMI=妊娠前の体重kg÷(身長m)²
<妊娠中の体重増加の目安>(※1)
*体重増加には個人差があります。医師や管理栄養士と相談しながら管理をしましょう。
■BMIの値が18.5未満は低体重(やせ)。妊娠中の体重増加の目安は12〜15kg。
■BMIの値が18.5以上25.0未満は普通体重。妊娠中の体重増加の目安は10〜13kg。
■BMIの値が25.0以上30.0未満は肥満(1度)。妊娠中の体重増加の目安は7〜10kg。
■BMIの値が30.0以上は肥満(2度以上)。妊娠中の体重増加の指導は個別対応(上限 5 ㎏までが目安)。
妊娠すると妊娠前よりも多くの栄養をとる必要がありますが、カロリーに換算すると、意外にもそこまで多くはありません。妊娠前と比べて増やしていいのは、1日あたり妊娠初期(16週未満)で+50kcal、妊娠中期(16〜28週未満)で+250kcal、妊娠後期(28週以降)で+450kcal(※2)。1食に置き換えると、20〜150kcal程度で、そこまで多くはないのです。「おなかの赤ちゃんの分まで、2人分食べる」というのは、とりすぎなことがわかりますね。
※1 参考:厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
※2 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2020 年版」
2.妊娠中のダイエットはやめましょう。体重の増えすぎを防ぐ食べ方のコツ
妊娠中は体重が増えすぎたときでも、食事を抜いたり、量を減らしたりするようなダイエットはやめましょう。おなかの赤ちゃんのための栄養をしっかりとりながら、上手に体重をコントロールするために、以下のように食べ方を工夫してみるといいでしょう。
2-1.規則正しく3食とる
食事は1日3食、規則正しくとりましょう。食事の間隔が不規則になると、血糖値が急激に上がったり、高い状態が続いてしまったりして、脂肪をため込みやすくなります。
2-2.肉は脂身の少ない部位を選ぶ
肉は、できるだけ脂身の少ない部位を選びましょう。牛肉や豚肉ならもも肉を選び、バラ肉はできるだけ避けて。鶏肉の場合は、むね肉やささ身がおすすめ。もも肉を使う場合は皮を除くと、グッとカロリーが減らせますよ。
2-3.油を使わない調理法を選ぶ
炒めたり、揚げたりする調理法は、油を多く使います。蒸したり、ゆでたり、オーブントースターで焼いたりするなど、できるだけ油を使わない調理法を選びましょう。
2-4.歯ごたえのある食材を食べる
根菜など、歯ごたえのある食材を大きめに切って食べるのがおすすめです。咀嚼の回数が増えることで満腹中枢が刺激され、少ない量でも満足感を得られます。
2-5.野菜たっぷりのサラダで見た目のボリュームを増やす
大きめのお皿に野菜をたっぷり盛ることで、低カロリーなのに、見た目がボリュームアップ。食事の満足感を感じることができます。 ただし、ドレッシングをかける時は注意が必要です。とくに市販のドレッシングは、カロリーや塩分が高いものが多く、かける量によっては、サラダでも高カロリーになってしまいます。少しずつかけて、量を調整しましょう。 ドレッシングは手作りするとカロリーや塩分を控えられるのでおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。
2-6.最初に野菜たっぷりの汁物を食べる
食事の最初に野菜たっぷりのみそ汁やスープなどの汁物を食べると、空腹が落ち着き、食べすぎを防ぐことができます。
2-7.遅い時間に食べないようにする
遅い時間に食べると、摂取したエネルギー量が消費されず、蓄積してしまいます。就寝前の3時間は食事を控えましょう。どうしても遅くなるときは、軽めのメニューですませて。家族の帰りが遅い日は、待たずに先に食べましょう。
3.妊娠中、体重が増えやすいのはいつ?
妊娠中は、体重が増えやすいタイミングが主に3つあります。時期ごとの生活の特徴を知って、食べすぎないように気をつけましょう。
3-1.つわりが明けたとき
つわりが終わり、食べられるうれしさから、つい食べすぎてしまう時期です。「今まで食べられなかった分、多めに食べても大丈夫」という意識も働いてしまうからかもしれません。
3-2.産休に入ったとき
通勤時間や仕事で動くことがなくなったり、不規則な生活を送りがちになることも。また、おなかが大きくなり、コロナ禍での外出制限もあるため、ついつい家にこもりがちに。自由な時間が増えたことで、間食も多くなることも。
3-3.里帰りをしたとき
妊娠中に実家などに里帰りをする場合も、体重が増加しやすくなる傾向があります。周囲の「おなかの赤ちゃんの分まで、たくさん食べて」という言葉に、つい食べすぎてしまいがち。また、家事をする機会が少なくなり、体を動かす機会が減ってしまうことも。
4.妊娠中の体重管理、おすすめレシピ
おいしい健康の管理栄養士がおすすめする、妊娠中の体重管理におすすめなレシピをご紹介します。
5.まとめ
妊娠中、急激に体重増加してしまったときにおすすめな「食べ方のコツ」をまとめました。体重が増えすぎて医師から指導があった場合などは、おなかの赤ちゃんの成長とママの体の健康のために、今一度、食生活を見直してみてくださいね。
参考:厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
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