腎臓病でも柿やみかんは食べられる?果物とカリウムの考え方【管理栄養士監修】
公開: 2026年11月4日
監修:
おいしい健康管理栄養士

柿やみかんがおいしい季節ですね。「腎臓病があると、果物は控えたほうがよいの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
腎臓病があっても、すべての方にカリウム制限が必要なわけではありません。今回は、柿やみかんなどの冬の果物に含まれるカリウムの量と、食事に取り入れる際に気をつけたいポイントを、おいしい健康の管理栄養士が解説します。
腎臓病とカリウムの関係
カリウムは体に必要なミネラルで、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、一般の成人に対して生活習慣病の予防を目的とした摂取目標量が設定されています。カリウムは果物や野菜など、さまざまな食品から摂取できます。
腎臓は、体に入ってきたカリウムの量を調整し、余分な分を尿として排出する働きを担っています。腎臓の働きが低下すると、このカリウムをうまく排出できず、血液中のカリウム濃度が上昇することがあります。血液中のカリウム濃度が高くなりすぎる状態を「高カリウム血症」といい、重症の場合は不整脈など、心臓に重大な影響を及ぼすことがあります。
ですが、腎臓病があるからといって、すべての方にカリウム制限が必要なわけではありません。カリウム制限の必要性や程度は、腎機能や血液検査の結果、治療内容などによって異なります。自己判断で果物を控えるのではなく、主治医や管理栄養士に確認し、自分に合った食べ方を考えることが大切です。
柿やみかんに含まれるカリウムの量
まずは、秋から冬によく食べる果物のカリウム量の目安を知っておきましょう。文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、可食部100gあたりのカリウム量は、みかんが約150mg、柿(生)が約170mg、りんごが約120mg、バナナが約360mgです。
100gあたりで比べると、みかんや柿はバナナよりカリウムが少なめです。一方、干し柿は水分が抜けて成分が濃縮されるため、生の柿よりもカリウム量が多くなります。
果物から摂取するカリウムの量は、種類だけでなく食べる量によっても変わります。カリウム制限が必要な方は、主治医や管理栄養士から示された目標量に合わせて、食べる量を調整しましょう。
果物を食べるときに気をつけたいポイント
カリウム制限が必要な方は、主治医や管理栄養士から指示された摂取量をもとに、果物も含めた1回あたりの食べる量を調整しましょう。制限が必要ない方まで、自己判断で果物を控える必要はありません。
また、果物だけでなく、野菜や芋類、海藻などを含めた食事全体でカリウムの摂取量を考えることも大切です。どの食品をどの程度調整するかは、主治医や管理栄養士と相談しながら決めましょう。
柿やみかんは料理やおやつにも
柿やみかんは、そのまま食べるだけでなく、料理やおやつにも使えます。柿はあえ物やサラダに、みかんはデザートやおやつに。いつもと少し違う食べ方で、季節の味を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
おいしい健康のレシピには、1人分のカリウム量も表示しています。カリウム量が気になる方は、表示を目安に食べる量を調整しながら楽しんでみてくださいね。
おいしい健康アプリの活用法
おいしい健康アプリは慢性腎臓病(CKD)の食事に対応しています。好きなものを選ぶだけで、無理なく続けやすい献立も作れますよ。
プロフィールを登録すると、食事基準を自動で算出
「慢性腎臓病(CKD)」を選択し、性別、体格、活動レベルなどに答えると、あなたの食事基準を算出。1日に必要な栄養価がわかります。※ステージ1〜3b、透析から選択していただけます。ステージ4は今後対応予定です。
食事記録で食塩・たんぱく質・カリウム・リンの量が確認できます
食べたものを記録することで、1日の食塩・たんぱく質・カリウム・リンの摂取量の目安を確認できます。外食した日の振り返りにも役立ちます。
レシピ通りに作れば、栄養計算の手間なし
レシピには、食塩相当量・たんぱく質・カリウム・リンなどの栄養価を表示。カリウム制限がある場合でも、食事基準におさまっているかがひと目でわかり、安心して食べられます。
まとめ
腎臓病があっても、柿やみかんなどの果物を一律に控える必要があるわけではありません。カリウム制限の必要性や程度は、腎機能や血液検査の結果、治療方針によって一人ひとり異なります。
果物を食事に取り入れる際は、自己判断せずに、主治医や管理栄養士に相談しながら、自分に合った量や食べ方を見つけていきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。疾患の診断・治療については必ず医師や管理栄養士にご相談ください。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
あわせて読みたい記事
腎臓病のカリウム制限 押さえておきたいポイント慢性腎臓病が悪化して、腎臓の機能低下が進むと、身体にたまった余分なミネラルがうまく排泄できなくなっていきます。ミネラルのひとつであるカリウムが体内に蓄積すると、「高カリウム血症」となり、命にかかわる不整脈を起こすこともあります。そのリスクを防ぐには、食事で摂るカリウムの量を抑えなければいけません。カリウムを摂りすぎないようにするにはどのような工夫が必要なのか、そのポイントを紹介します。 【管理栄養士監修】腎臓にいい食べ物はある?慢性腎臓病の食事療法何らかの腎障害が3カ月以上続くと「慢性腎臓病」と診断されます。腎臓の機能を今より低下させないようにするには、食生活の改善が欠かせません。では、腎臓にいい食べ物はあるのでしょうか。実は腎臓の機能を長持ちさせる食べ物が特にあるわけではなく、大切なのは食べ方です。 【管理栄養士監修】ビタミンCは果物トップクラス!柿の栄養と選び方柿は日本や中国が原産地といわれ、日本では古くから親しまれてきた果物です。庭先で色づいた柿をみると、まさに秋の訪れを感じますね。今回は、柿について、豊富な栄養からおすすめのレシピまで詳しく紹介します。 みかんの栄養や選び方のポイントみかんは温州みかんとも呼ばれ、さらに産地や栽培方法によって様々なブランド名で流通しています。手で簡単に皮がむけ、ジューシーで甘みと酸味のバランスがよく、冬といえば「こたつでみかん」といわれるくらい定番のフルーツです。今回はみかんの栄養や、おいしいみかんの選び方などについて詳しく紹介します。





