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食物繊維、葉酸、マグネシウムetc. 大切なのに不足しがちな栄養素の宝庫

食物繊維がたっぷり、多様な栄養素を含む大豆は、ご存じ、「女性の強い味方」。でも、小豆やインゲン豆など、古くから日本の食卓を支えてきたその他の豆にも、見逃せない健康効果がたくさん。いろんな豆をミックスして食べること──。これこそが最強の食べ方!

取材・文/降旗正子(Paradise Lost)、写真/鈴木正美、スタイリング/椎野糸子、料理作成・栄養計算/曽根小有里(食のスタジオ)

ミックス豆で腸内環境改善

豊富な食物繊維に加え、加熱調理後にできる「難消化性でんぷん」が腸内環境を改善。ダイエットにも!

日本の食卓は古くから多種類の豆に支えられてきた。豆は長寿国日本の立役者の一つだ。でんぷんとたんぱく質、貴重な食物繊維、多様なミネラル・ビタミンを含み、特に女性に不可欠なカルシウム、葉酸などの身近な供給源でもある。

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上の写真は典型的な野菜サラダに、ミックス豆を加えた場合(左)と鶏ササミを加えた場合(右)。それぞれの総重量は同じだが、豆サラダは食物繊維が約5倍、カルシウム、ビタミンB1、葉酸も1・5〜2倍以上になる。同じサラダに豆を加えるだけで、これだけ栄養価が違ってくるのだ。

豆には「たんぱく質が多い」大豆タイプと、「でんぷんが多い」大豆以外のタイプがある。約30%(※)のたんぱく質を含む大豆は健康食材としても最強といえるだろう。「大豆たんぱく質の主要成分β-コングリシニンは、満腹感を高める消化管ホルモン、コレシストキニンの分泌を促すのでダイエットに有効」と北海道大学大学院の原博教授。多くの野菜やキノコと比べてもかなり多い食物繊維は、血糖値の急上昇を抑え、大豆オリゴ糖とともに腸内環境を整え便通を改善する。

一方、40〜50%(※)がでんぷん質の小豆やインゲン豆など「でんぷん系」の豆も、食物繊維やビタミン・ミネラルを豊富に含む。ただ、豊富なでんぷんが肥満につながるのでは、とダイエット面では敬遠されがちだった。

※乾燥状態での割合