甲状腺の病気と食事|バセドウ病・橋本病の方のヨウ素との上手なつき合い方
公開日: 2026年5月22日

5月25日は「世界甲状腺デー」。甲状腺は首の前側にある小さな器官ですが、全身のエネルギー代謝や体温調節に関わるホルモンを作り出しています。そのホルモンを作るために欠かせない栄養素が「ヨウ素(ようそ)」です。
ヨウ素は不足しても、とりすぎても甲状腺の働きに影響が出ることがあります。今回は、おいしい健康の管理栄養士が、甲状腺の病気と食事の関係をわかりやすくお伝えします。
甲状腺と甲状腺ホルモンのこと
甲状腺は首の前側にある小さな器官で、「甲状腺ホルモン」を作り出しています。このホルモンは全身の代謝を調整する働きをもっています。
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代表的な甲状腺の病気 ▶ 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) ▶ 甲状腺機能低下症(橋本病など) どちらも女性の方が多く見られ、気になる症状がある場合は早めに医師にご相談ください。 |
甲状腺ホルモンに欠かせない栄養素「ヨウ素」
ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るために必要なミネラルです。不足すると甲状腺機能低下につながる場合があります。世界的にはヨウ素不足が問題となる地域もありますが、日本では海藻類を食べる習慣があるため、とりすぎに注意が必要な場合があります。
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ヨウ素の1日の摂取量の目安(成人) 推奨量:130㎍/日 |
ヨウ素を多く含む食品
日本の食事でヨウ素の主な供給源は海藻類と魚介類です。特に昆布には非常に多くのヨウ素が含まれています。
| 食品 | 目安量 | ヨウ素量(目安) |
|---|---|---|
| 昆布(乾燥) | 1g | 2,000㎍ |
| わかめ(乾燥) | 2g | 200㎍ |
| ひじき(乾燥) | 3g | 1,350㎍ |
| めかぶ | 50g(1パック) | 195㎍ |
※ヨウ素量は食品の産地・加工方法などによって異なります。目安としてご参照ください。
昆布のとりすぎには注意
昆布は少量でもヨウ素を大量に含みます。昆布だしや昆布茶、昆布を使った加工食品が重なることで、ヨウ素摂取量が多くなることがあります。甲状腺の病気がある方は、昆布を使ったおやつや昆布茶なども含めて、摂取量を意識してみてください。
甲状腺の病気があるときの食事のポイント
甲状腺の病気の種類や治療の状況によって、食事での注意点が異なります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の場合
代謝が過剰になるため、エネルギーとたんぱく質が不足しやすくなります。
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意識したい食事のポイント
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甲状腺機能低下症(橋本病など)の場合
代謝が落ちて体重が増えやすくなるため、食事全体のバランスに気をつけましょう。
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意識したい食事のポイント
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管理栄養士がおすすめするレシピ3選
おいしい健康アプリの活用法
① レシピにヨウ素の栄養価が表示されます
おいしい健康のレシピには「ヨウ素」の栄養価が表示されています。「このレシピのヨウ素量はどのくらい?」と気になったときに確認しながら料理を選べます。
② 食事記録で栄養バランスを確認できます
毎日の食事を記録することで、たんぱく質・カルシウムなどの栄養バランスを確認しながら食事管理ができます。
③ 個別栄養相談も活用してみてください
食事についての疑問や不安は、個別栄養相談をご活用ください。あなたの状況に合わせたアドバイスを受けることができます。
甲状腺の病気と食事、まずできることから
甲状腺の病気と診断されたとき、「何を食べればいいんだろう」「今まで通りの食事でいいのかな」と不安になる方は多いと思います。
食事で病気が治るわけではありませんが、毎日の食卓を少し整えることは、体の調子を支える大切なサポートになると考えられます。今日の食事から、できることでいいので少しずつ取り入れてみてくださいね。
不安なことや疑問があれば、ひとりで抱え込まずにかかりつけの医師や管理栄養士に相談してみてください。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 日本甲状腺学会「甲状腺疾患診断ガイドライン2024」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。甲状腺の病気の診断・治療については、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。




