【管理栄養士が解説】糖尿病がある方の外食|メニューの選び方と注文のコツ
公開日: 2026年8月12日

「糖尿病と言われてから、外食に行かなくなりました」
そんな声をうかがうことがあります。家族の誕生日、友人との久しぶりのランチ、仕事の会食。誘いを断るのは、思っている以上に負担が大きいものですよね。
外食が難しく感じられるのは、量や内容を自分で決めにくいからです。でも裏を返せば、選び方と頼み方を知っておけば、外食も食事管理のなかに無理なく収まります。
この記事では、糖尿病の方が外食を楽しむために知っておきたい「メニューの選び方」「注文のときの工夫」「食べすぎた後の調整方法」を、管理栄養士がわかりやすくお伝えします。
外食は「してはいけないもの」ではありません
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」では、食事療法の選択肢が以前より広がりました。現在は「みんな同じ食事」ではなく、その人の体格や生活スタイル、治療内容に合わせて食事を考えることが大切とされています。「この料理は禁止」といった一律の決まりがあるわけではありません。
大切なのは、外食そのものを避けることではなく、1食の中身と量、そして前後の食事とのバランスです。
なお、1日にとるエネルギー量の目安は、体格・活動量・治療内容によって変わります。ご自身の目安は主治医や管理栄養士に確認してみてください。
外食メニュー選び、4つのポイント
ポイント1 ご飯の量を、注文する前に決めておく
外食で意外と差が出るのが、主食の量です。同じ定食でも、お店によってご飯が大盛りになっていることがあります。
注文の時点で「普通盛りで」「少なめで」と伝えておくと、後から迷わずに済みます。丼物や麺類も、ご飯や麺の量を選べるお店なら、先に決めてしまうのが安心です。
食べはじめてから加減するより、頼むときに決めておくほうがずっとラクですよ。
ポイント2 「主食・主菜・副菜」がそろうものを選ぶ
いちばん選びやすいのは定食スタイルです。ご飯・主菜・小鉢・汁物がそろうと栄養の偏りが小さくなり、食べた量の見当もつきやすくなります。
丼物や麺類などの一品料理は手軽ですが、主食の割合が大きくなりがちです。選ぶときは、サラダや小鉢を1つ足すと組み立てが整いやすくなりますよ。
ポイント3 食物繊維がとれる一品を足す
「糖尿病診療ガイドライン2024」では、2型糖尿病の血糖コントロールのために、食物繊維を積極的にとることが有効とされています。
日本人はもともと食物繊維が不足しやすく、外食ではさらに不足しがちです。だからこそ、意識して足したい栄養素です。
サラダ、ひじきの煮物、きのこのおひたし、わかめのみそ汁。こうした一品を加えるのがおすすめです。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量を18〜64歳で男性20〜22g/日以上、女性18g/日以上としています。
ポイント4 食塩と脂質の「見えにくい多さ」に気を付ける
外食は、調理法によって脂質が、汁やたれによって食塩が多くなりやすいものです。揚げ物より焼き物・蒸し物、こってり系より和食寄りを選ぶと、無理なく抑えられます。
高血圧を合併している場合、食塩相当量は男女とも1日6.0g未満が目安とされています(「日本人の食事摂取基準(2025年版)」)。麺類のスープを飲み干さないだけでも、ぐっと減らせますよ。
ジャンル別・選びやすいメニュー
定食屋・和食店
焼き魚定食や煮魚定食など、小鉢と汁物がつくものを。組み立てがそのまま整います。
そば・うどん
かけそばに、わかめや山菜、卵をトッピング。天ぷらは1つまでにすると脂質を抑えやすくなります。
すし・回転ずし
シャリの量が意外と多くなりがちです。数を決めておき、茶わん蒸しやサラダ、みそ汁を組み合わせてみてください。
ファミリーレストラン
単品よりも、副菜がつくセットを。ご飯は少なめで頼み、サラダバーがあれば活用しましょう。
居酒屋
枝豆、冷奴、刺身、焼き鳥(塩)、野菜の炒め物などから。締めのご飯や麺は控えめにするとよいですね。
注文時などにできる、小さな工夫
・ご飯は「少なめ」「半分で」と頼む
・ドレッシングやたれは別添えにしてもらう
・飲み物は無糖のものを選ぶ
・麺類のスープは残す
・揚げ物の衣を少し残す
飲み物については、加糖の飲料が血糖コントロールに影響する可能性が指摘されています。お茶や水、無糖のコーヒーに替えるだけでも変わります。
なお、野菜やおかずから先に食べる、ゆっくりよくかむといった食べ方も、食べすぎを防ぐ工夫として取り入れやすい方法です。
外食でのよくある質問
Q. ラーメンは食べてもいいですか?
食べてはいけない料理ではありません。スープを飲み干さないようにすると食塩を抑えられます。野菜が多いものを選ぶ、ゆで卵やメンマを足すなど、具を組み合わせるとバランスが取りやすくなります。替え玉やご飯のセットは、量を決めてから頼みましょう。
Q. 焼肉のときは何を選べばよいですか?
赤身の肉を中心にすると脂質を抑えやすくなります。サラダやナムル、キムチ、焼き野菜を一緒に頼み、たれは付けすぎないようにするとよいですね。ご飯や締めの麺は、最初に量を決めておくと安心です。
Q. 外食は週に何回までにすべきですか?
回数の決まりはありません。1食や1日ではなく、数日単位でバランスを見ていく考え方が現実的です。外食が続きやすい生活の場合は、その頻度を前提にした食事の組み立てを主治医や管理栄養士に相談してみてください。
食べすぎた日は、次の食事で整えれば大丈夫
外食のあと「食べすぎてしまった」と落ち込む必要はありません。食事は1食単位ではなく、2〜3日のなかで整えていくと考えると、気持ちが楽になります。毎食完璧にしようと思わず、主治医や管理栄養士の指示のもとで無理なく続けることが大切です。
例えば、翌日は野菜・海藻・きのこを意識して増やし、主食は普段どおりの量に戻す。それだけでも一つの調整になります。
おいしい健康アプリの活用法
外食した日も、食事記録を続けてみましょう
外食を続けながら食事を整えるうえで、いちばん力になるのが食事記録です。おいしい健康アプリでは、自炊した日だけでなく、外食で食べたメニューも記録できます。定食、麺類、丼物、居酒屋のおつまみなど、食べたものを検索して選ぶだけ。
いちばん手軽なのは、写真での記録です。料理の写真を撮るだけで、AIが写真を解析し、食べたものを記録できます。外食先で料理名を入力する手間がいらないので、食べる前にさっと1枚撮るだけで済みますよ。記録を続けると、1食単位ではなく数日の流れで食事を見られるようになります。「昨日は外食で食塩が多めだったから、今日は控えめに」といった調整が、感覚ではなく数値をもとに判断できます。
まとめ
外食の日があっても、選び方や食べ方を少し工夫すれば、無理なく食事療法を続けられます。
ご飯の量を先に決める、定食スタイルを選ぶ、食物繊維がとれる一品を足す、食塩と脂質の多さに気を付ける。この4つを覚えておけば、選択肢はぐっと広がります。
そして、うまくいかない日があっても大丈夫。そのあとの食事で整えればいいのです。そのために、食べたものを記録しておくことが助けになります。
食事の量や内容で迷ったときは、主治医や管理栄養士にご相談くださいね。
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参考
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
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