炎症性腸疾患(IBD)という病気を知っていますか?
公開日:
2021年5月19日
最終更新日:
2022年5月18日
毎年5月19日は「World IBD Day(世界IBDデー)」。
IBDという病気への理解を深めるために、世界中でさまざまなキャンペーンが行われ、また患者同士が団結し、励まし合う日でもあります。
IBDは、腸の炎症性疾患の総称で、一般的には潰瘍性大腸炎とクローン病を指します。
どちらも小腸や大腸などの粘膜に慢性の炎症を引き起こす原因不明の病気で、国の指定難病です。
患者数は、潰瘍性大腸炎が約22万人以上、クローン病が約7万人以上と推定され、10代後半から30代前半の若年層で発症する方が多いという傾向があります(※1)。
腹痛や下痢などの症状が起こり、食事に気を使わなければならないこともある病気です。今回はIBDについて解説します。
※1 参考:日本消化器病学会「炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン 2020(改訂第2版)」
食事やストレスによって悪化することも
潰瘍性大腸炎とクローン病は、ともに厚生労働省の指定難病に指定されている、原因不明の病気です。
完治はしないので、患者さんは一生付き合っていかなければなりません。
「寛解(かんかい)」という症状が落ち着いた状態を保つことはできますので、日常生活を問題なく過ごすことは可能です。
けれど、ふとしたことで症状が悪化する「再燃(さいねん)」の状態になることもあります。
食事内容やストレスが悪化のきっかけになることがありますので、食事に気をつけたり、ストレスをためないような生活を心がける必要があります。
脂(油)や辛味を避ける人が多い
腸に炎症を起こす病気のため、食事に気をつけている患者さんは多くいます。
脂っこいものを食べすぎない、食物繊維がたっぷり含まれた食材は避ける、辛い料理は食べないなど、なるべく腸に負担がかからない、刺激が少ない食事が好まれる傾向にあります。
患者さん1人1人、症状が出やすいものは異なりますので、はっきりと「この食材を避けましょう」と言えないのが、この病気の難しいところでもあります。
おいしい健康のIBDレシピ
おいしい健康では食事に困ることの多い、潰瘍性大腸炎、クローン病の方に向けたレシピを管理栄養士が開発しています。
今回のレシピは、東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部 管理栄養士の斎藤恵子先生に「寛解期」のレシピについて監修いただきました。
●潰瘍性大腸炎(寛解期)の方向けレシピ
潰瘍性大腸炎(寛解期)の方向けのレシピをご紹介します。
どれも料理をあまりしない方、仕事が忙しくて料理を作る時間がない方でも、簡単に作れるものばかりです。
IBDでない人にもおすすめしたい、消化に良くて健康的なレシピになっています。
●クローン病(寛解期)の方向けレシピ
クローン病(寛解期)の方向けのレシピをご紹介します。
腸に負担がかからないように、脂質を抑えたレシピになっています。
おいしい健康の記事コンテンツでは、IBDの患者さんを応援中!
記事コンテンツ「病気と食事のきほん」では、炎症性腸疾患(IBD)潰瘍性大腸炎と炎症性腸疾患(IBD)クローン病を公開しています。
潰瘍性大腸炎とクローン病の食事について、わかりやすくまとめていますので、ぜひご覧ください。
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※2021年5月に配信した記事を一部再編集しています。