睡眠時無呼吸症候群と体重の関係|減量と食事の工夫【管理栄養士監修】
公開: 2026年10月22日
監修:
おいしい健康管理栄養士

いびきがひどいと言われたことはありませんか。朝起きても疲れが取れない、日中に眠気を感じる…そんな心当たりがある方もいらっしゃるかもしれません。
こうした症状には、睡眠時無呼吸症候群が関わっていることがあります。気になる症状がある場合は、まず医療機関に相談することが大切です。
そのうえで、肥満のある方にとっては、食事や体重を見直すことが、医療機関での治療と合わせて取り組める生活習慣の工夫のひとつになります。
この記事では、おいしい健康の管理栄養士が、睡眠時無呼吸症候群と体重・食事の関係、そして取り入れやすい工夫について解説します。
睡眠時無呼吸症候群とは?原因はひとつではありません
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり、弱くなったりすることをくり返す病気です。大きないびきや日中の強い眠気、起床時の頭痛などが代表的な症状です。睡眠時無呼吸症候群には、のどの奥の空気の通り道が狭くなることで起こる「閉塞性」と、脳からの呼吸の指令がうまく働かなくなる「中枢性」の2つのタイプがあり、一般的によくみられるのは閉塞性の方です。
肥満による首まわりの脂肪の蓄積は、閉塞性タイプのリスクを高める要因のひとつです。一方で、扁桃(へんとう)の大きさや舌の大きさ、あごの形、鼻の病気なども関わり、肥満がなくても起こることがあります(参考:日本呼吸器学会「呼吸器の病気:睡眠時無呼吸症候群(SAS)」)。成人では男性の約3〜7%、女性の約2〜5%にみられるとされています。
体重を見直すことは、どう関係しているの?
肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、減量によって無呼吸の程度が軽減することがあります(参考:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」)。
ただし、減量だけで十分な治療になるとは限りません。治療法はタイプや重症度などによって異なります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、CPAP(マスクを介して空気を送り、気道を広げる治療法)や口腔内装置(マウスピース)などが用いられ、患者によっては睡眠時の体位を工夫する方法が適している場合もあります。肥満のある方では、こうした医療機関での治療と並行して、食事や生活習慣を見直すことも大切です。
必要な減量の程度や目標は、健康状態によって一人ひとり異なります。具体的な目標は、医師や管理栄養士にご相談ください。
今日からできる食事の工夫
① 今の食事を振り返ってみましょう
夜遅い食事や間食が習慣になっている方は、食べる時間や量を振り返ってみましょう。
生活リズムに合わせて無理なく調整することが、エネルギーのとりすぎを防ぎ、体重管理につながる場合があります。こうした工夫は体重管理に役立ちますが、睡眠時無呼吸症候群の治療に代わるものではありません。
② 主食・主菜・副菜を基本に、食品や調理法を工夫しましょう
ご飯などの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜などの副菜を組み合わせることを基本に、食品の選び方や調理法も工夫してみましょう。
揚げ物が多い方は、焼く・蒸す・ゆでるといった調理法も取り入れてみてください。肉の脂身や皮を控えめにし、魚や脂身の少ない部位も活用してみましょう。菓子類や甘い飲み物を習慣的にとっている場合は、頻度や量を振り返ってみるのもおすすめです。
③ 野菜・きのこ・海藻で、食事の満足感を保ちましょう
野菜やきのこ、海藻は、食物繊維をとりながら食事のボリュームを調整するのに役立ちます。炒め物に野菜を加えたり、汁物にきのこや海藻を取り入れたりすると、食事の満足感を保ちやすくなります。油や調味料の量も意識してみましょう。
④ たんぱく質は適量を、食事全体のバランスの中で
減量中も、筋肉量を保つために、肉・魚・卵・大豆製品などからたんぱく質を適量とることが大切です。脂身の少ない肉や魚、大豆製品などを主菜に取り入れ、極端な食事制限は避けましょう。必要な量は年齢や体格、健康状態によって異なります。
⑤ 就寝前の飲酒を控えてみましょう
アルコールは、睡眠中にのどまわりの筋肉をゆるめ、いびきや無呼吸を悪化させることがあります。飲酒の習慣がある方は、特に就寝前の飲酒を控えることを意識してみましょう。
管理栄養士がすすめる、組み合わせやすいレシピ3選
鮭と香味野菜のレンジ蒸し
鮭としめじ、れんこん、長ねぎなどを電子レンジでまとめて蒸し、しょうゆとごま油をかけるだけの一品です。使う油の量を抑えたいときに取り入れやすいレシピです。
豚肉とわかめの中華蒸し
豚もも薄切り肉ともやし、わかめ、なめこを電子レンジで蒸し、酢じょうゆだれをかける一品です。野菜・海藻をたっぷり使えるので、食事のボリュームを保ちながら調整したいときにおすすめです。
作り置きに 鶏肉とブロッコリーの和風カレー煮
皮を取り除いた鶏むね肉とブロッコリーを、カレー粉とめんつゆで煮た一品です。作り置きにも向いているので、まとめて作っておくと普段の食事に取り入れやすくなります。
おいしい健康アプリの活用法
おいしい健康アプリでは「睡眠時無呼吸症候群」の食事に対応しています。
①プロフィール登録で、パーソナライズ提案
性別や体重、病気やお悩みを登録すると、あなたに合った食事基準を自動で算定。食事基準に合うレシピを優先して表示します。
②レシピにはエネルギーの量を表示
管理栄養士監修のレシピには、全てエネルギー量を表示。エネルギー以外の30種類の栄養素を確認でき、多い順や少ない順に並べ替えることもできます。
③食事記録で、栄養バランスを確認できます
食べたものを記録すると、たんぱく質やビタミン類がとれているか、エネルギーをとりすぎていないかを振り返れます。食事全体の傾向を振り返るのにも役立ちますよ。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、肥満だけでなく、あごや舌の形など、さまざまな要因が関わる病気です。いびきや日中の強い眠気などが気になる場合は、まず医療機関に相談しましょう。
肥満のある方では、食事や運動などの生活習慣を見直すことで、無呼吸の程度が改善する場合があります。ただし、減量だけで十分な治療になるとは限りません。
まずは普段の食事を振り返り、できそうな工夫を一つ見つけるところから始めてみましょう。医療機関での治療と合わせて、自分に合った方法を無理なく続けていくことが大切です。
参考
日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
日本呼吸器学会「呼吸器の病気:睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
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