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小田真規子さんに教わる:シリーズ3「素材を活かしてだしいらず!簡単でおいしい魔法のスープ」

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こんにちは。おいしい健康のくらさんです。

12月に入り、温かいスープが恋しい季節になりましたね。冷えた体を温めてくれる野菜スープやみそ汁は、この時期食卓によく登場するメニューの一つです。
より手軽に作るために、だしはもっぱら顆粒派な私ですが、ついうっかり買い忘れてしまうことも。「今日のスープはあきらめよう。。」泣く泣くそう思っていた矢先、またもや料理研究家の小田真規子さんから驚きの助言が!

「あら?スープなら、だしやスープの素がなくてもおいしく作れるわよ!」

日頃からレシピ開発に携わっている私は「そうはいっても、やっぱりだしの風味がないと、もの足りないスープになってしまうのでは?」と半信半疑。それもそのはず。だしやスープの素がなくてもおいしく作るには、ちょっとしたテクニックが必要だったのです。
テクニックといっても、さすがは小田真規子さん。難しい調理やたくさんの調味料を使うことは一切なし。誰でも簡単においしく作る方法を教えていただきました。

素材のうま味を活かす『4つの魔法のテクニック』

だしをとらずに味に深みを出すには、素材のうま味を最大限に活かすことがポイントになるとのこと。まさに魔法のような「4つのテクニック」をご紹介します。

テクニック1.うま味を引き出す:素材は蒸し焼きにして、炒める

まずは素材のうま味を引き出すこと。水を加える前に、素材を蒸し焼きにすることでうま味と水分が引き出されます。さらに炒めれば、出てきた香りやうま味が天然の「スープの素」になります。
4174 少し焦げ付いても気にせず炒めてOK。むしろ少しの焦げは、香りやうま味もアップ。

テクニック2.うま味を活用する:スープの具は、うま味成分を含む素材を選ぶ

素材に含まれるうま味成分も、おいしさを左右する大きなポイント。うま味成分の多い素材を活用するのがおすすめです。
【うま味のある素材】
きのこ類
「グアニル酸」が多く含まれます。
トマト、じゃがいも、キャベツ、玉ねぎ、白菜、ブロッコリーなど
「グルタミン酸」が多く含まれます。
4175 スープの具材を決める時は、必ず1つはうま味成分を多く含む野菜を選ぶのがポイント。これをベースにして、少量のたんぱく質源を添えれば、野菜のうま味だけでも驚くほど味わい深く仕上がりますよ。

テクニック3.うま味を引き立てる:調味のベースは塩。しょうゆやみそは最後の仕上げ

塩だけでも素材の味がぐっと引き立ちます。塩で調味をした後は、味見をしながら最後にしょうゆや味噌を加えて調整します。そうすることで、素材の味を活かした優しい味わいのスープの完成です。
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テクニック4.うま味に香りをトッピング:香りのある素材をプラスして風味アップ

最後はアレンジを楽しむヒント。仕上げに香りのある野菜やアクセントになる調味料をプラスすることで、うま味がさらに引き立ちます。季節や気分に合わせたスープが楽しめるので、マンネリの解消にも◎
【香りのある野菜】
三つ葉・パセリ・青じそ・青ねぎ・海苔など
【アクセントになる調味料】
こしょう・七味唐辛子・辛子・カレー粉・ラー油・ごま油・バターなど

試してみよう!初心者でも簡単、3つのスープレシピ

4つの魔法のテクニックを使えば、誰でもおいしいスープが作れます。
実際どうやって作ったらいいの?早速、小田真規子さんから教わった、3つのレシピをご紹介します。

小田真規子さん直伝の3つのレシピ

【きのこのうま味たっぷりスープ】

4171 「きのこのうま味ってこんなにすごいの?」と思わせる驚きの一品。きのこの中でも特にうま味の強いしいたけ、えのきたけを使用して、うま味を最大限に引き出しています。 こしょうや三つ葉の風味をプラスすれば、より奥深い味わいに仕上がります。

【じゃがいもとキャベツとベーコンのスープ】

4172 じゃがいも、キャベツ、ベーコンの3つのうま味が溶け込んだ一品。じゃがいもの自然なとろみが、野菜のうま味や甘みを閉じ込めます。ほっとする優しい味わいは、お子さまやシニアの方にも大人気!

【トマトと玉ねぎのスープ】

4169 トマトのうま味やたまねぎの甘みを活かしたシンプルなスープです。爽やかな酸味と優しい甘みが絶品です。パセリを散らして風味アップ!

どのレシピも、実は味付けは塩、こしょう、しょうゆだけ。作り方や素材を変えるだけで、味に変化が生まれ違った味わいのスープがいくつも楽しめるなんて、まさに魔法!これからの寒い季節にぴったりのうま味たっぷりスープ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

最後に、こんな献立はいかがですか?

10月号から全3回にわたってお届けした「小田真規子さんに教わるシリーズ」。料理初心者の方でもおいしく作れるコツをご紹介してきました。 実は、それぞれレシピを組み合わせることで献立にもなるんですよ。献立に初めてチャレンジするという方も、ぜひお試しください!

【チキンライスの献立】

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「チキンライス」(シリーズ第1回)

「レタスとベビーリーフのシンプルサラダ」(シリーズ第2回)

【栄養価】
エネルギー:541kcal 食塩相当量:2.7g

【豚薄切り肉の中華炒めの献立】

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「豚薄切り肉の中華炒め」(シリーズ第1回)

「トマトと玉ねぎのスープ」(シリーズ第3回)

ご飯(150g)

【栄養価】
エネルギー:553kcal 食塩相当量:2.9g

小田真規子さんに教わるシリーズ第1回:「誰でも失敗しない炒め物の3つのきほん」は こちら
小田真規子さんに教わるシリーズ第2回:「いつものサラダが変わる!毎日食べたい、おいしいサラダの作り方」は こちら

プロフィール
小田真規子さん
料理研究家。栄養士。女子栄養大学短期大学部卒業。香川調理製菓専門学校で製菓を学ぶ。1998年に独立し、スタジオナッツを設立。現在は雑誌、書籍、テレビなどで活躍。誰もが作りやすく、健康に配慮した料理がモットー。近著に『午前7時の朝ごはん研究所』(ポプラ社)がある。


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カメラマン:広瀬貴子
スタイリスト:しのざきたかこ
編集・監修:おいしい健康管理栄養士