とろろの材料となるヤマイモには、食物繊維と同じように働く「難消化性でんぷん」が多い。名古屋女子大学の竹内若子教授によると「全体の約1割は難消化性でんぷん」という。
食物繊維量は100g当たり1.0〜2.5gだが、食物繊維と同じように働く消化されにくいでんぷん「難消化性でんぷん」を約10gも含む。
食後の血糖値の上げやすさの指標となるGI(ジー・アイ)は、加熱したナガイモでは白米ご飯(GI=100)並みに高いが、生ですり下ろしたものは10分の1、GI10前後と極めて低い。第11回日本Glycemic Index研究会(2012年7月)にて東京慈恵会医科大学附属柏病院栄養部の林進課長が、過去に同学会で発表された測定値の一覧をもとに発表。

漢方では加齢やストレスで減っていく「気」を補うアンチエイジング食材。免疫力を高め、
「風邪など冬の病気にかかりにくくしてくれる」(木村准教授)。とろろのネバネバは、気をためるのに役立つという。
ヤマイモとは、ヤマノイモ科のナガイモ、ヤマトイモ、イチョウイモ、ジネンジョの総称。ナガイモは水分が多く粘りが少ない。ヤマトイモやイチョウイモは粘りが強い。ジネンジョ(上写真)はナガイモよりも細く、粘りが強く香り高いのが特徴。
