生きていく上で欠かすことのできない「食事」。食べることは人生のよろこびの一つであり、豊かな生活につながります。高齢になり身体に変化が生じても、その人に合った食生活を送ることで、食事を楽しむことができるでしょう。
「高齢者の食事について理解しよう!」では、全3回に渡って「自分に合った食品選びのコツ」、「食材をやわらかく調理するポイント」について連載します。
第1回の今回は「年齢により変化する食生活と、一人ひとりの噛む、飲み込む能力に合った食品を選ぶコツ」についてご説明します。

高齢者は「身体機能の衰え」「認知症による問題」「食べる環境の問題」等の原因により、食べることが困難になります。
高齢者は長年にわたり親しんできた味や食習慣があります。その嗜好を尊重しつつ、個人の状態に合わせた食べやすい調理が必要です。
さらには、暖かいコミュニケーションや食べる環境への気配りも重要になります。
高齢者が食べられなくなる原因は1つではありません。様子をよく見ながら、何が問題なのか医療・介護関係者とご相談ください。
※ 直近で3kg以上の体重減少があるときは注意が必要です。
参考:「認知症と食べる障害」Jacqueline Kindell 著
金子芳洋訳 / 医薬品出版株式会社

日本介護食品協議会が制定する食品の”かたさ”や”粘度”に応じた4つの区分があります。
自分の噛む力、飲み込む力に適した食品を選ぶ際の参考にしてください。
ヘルシーネットワークカタログ
の「やわらか食品」では、やわらかさの段階に応じた商品を掲載しています。
噛む力、飲み込む力が低下しても、やわらかさや食べ物の形態を工夫すれば、食事を楽しむことができます。一人ひとりの能力に応じて、食べやすいものを選びましょう。
皆で「食べる楽しみ」を共有できるよう、訪れる身体の変化や、身体機能・体調への影響を理解し、一人ひとりに合わせた食生活を心がけましょう。
次回は、「食事を食べやすくする調理のコツ」についてご紹介します。食べる機能が弱くなることに誰もが悩んでしまいますが、ちょっとした工夫をプラスすることで、とても食べやすくなります。調理のポイントをチェックして、心も身体も満足できる食事を作りましょう。
この連載の記事一覧
- 第1回:食生活の変化と一人ひとりに適した食品を選ぶコツ
- 第2回:食べやすくなる調理の工夫やポイント
- 第3回:やわらか食調理の基礎知識