くらしの栄養学

脂質異常症の方、卵は1日何個まで?コレステロールと食事の最新見解を管理栄養士が解説

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「卵は1日1個まで」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

特に脂質異常症と診断されると、「卵は食べていいの?」「何個まで大丈夫?」と迷ってしまいますよね。

この記事では、コレステロールと卵の関係についての最新の考え方と、脂質異常症の方が知っておきたい食事のポイントを、おいしい健康の管理栄養士がわかりやすくお伝えします。

そもそも、コレステロールとは?

コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸などをつくるために欠かせない脂質の一種です。体内では主に肝臓でつくられており、健康を維持するために重要な役割を担っています。

一方で、血液中のLDL(悪玉)コレステロールが多い状態が続くと、血管の内側にコレステロールがたまりやすくなり、動脈硬化(血管が硬く狭くなること)が進む原因になるとされています。

コレステロールの多くは体内で合成されており、食事からとるコレステロール量は、体内でつくられる量のおよそ1/3〜1/7程度とされています。また、体内には食事からとる量に応じてコレステロールの合成量をある程度調整する仕組みがあります。

ただし、この調整機能には個人差があるため、食事中のコレステロールがまったく影響しないわけではありません。特にLDLコレステロール値が高い方は、コレステロールを多く含む食品のとりすぎに加え、肉の脂身やバターなどに多い飽和脂肪酸のとりすぎにも注意することが大切です。

最新ガイドラインでの卵の考え方

かつては「1日のコレステロール摂取量を300mg未満に」という目標が設けられていました。しかし、2015年版以降の厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、コレステロールの摂取目標量(上限)は設定されていません。

一方、脂質異常症、特にLDLコレステロール値が高い方については、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2022年版)」で、コレステロール摂取量を1日200mg未満に抑えることが望ましいとされています。

卵1個(約50g)に含まれるコレステロールは約190mgです。そのため、LDLコレステロール値が高い方では、卵を食べる日は、ほかのコレステロールを多く含む食品との組み合わせにも配慮することが大切です。

LDLコレステロール値が高い方の目安

・卵を食べる場合は、1日1個程度を目安にするとコレステロール量を調整しやすくなります。

・いくら、たらこ、レバーなど、コレステロールを多く含む食品を食べる日は、卵の量を控えめにしましょう。

・LDLコレステロール値が高くない方では、コレステロールだけでなく、中性脂肪やHDLコレステロールなど、脂質異常症のタイプに応じた食事のポイントが重要になります。

コレステロールだけでなく、脂肪酸の「質」にも注目しましょう

血液中のLDLコレステロールを上昇させる要因としては、食事中のコレステロールだけでなく、肉の脂身やバターなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」のとりすぎがより大きく影響すると考えられています。

飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、生クリーム、ラードなどに多く含まれ、LDLコレステロールを上昇させやすいことが知られています。一方、魚や植物油に含まれる不飽和脂肪酸は、脂質異常症の予防や改善に役立つとされています。

また、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2022年版)」では、飽和脂肪酸を控え、魚や植物油などに含まれる不飽和脂肪酸を適度に取り入れること、さらに食物繊維を十分にとることが推奨されています。野菜や豆類、きのこ、海藻、全粒穀物などを毎日の食事に取り入れましょう。

取り入れたい食品と控えたい食品

取り入れたい食品

  • 青魚(さば、いわし、さんまなど)
  • 大豆製品(豆腐、納豆など)
  • 野菜、きのこ、海藻
  • 植物油(オリーブ油、なたね油など)

控えめにしたい食品

  • 肉の脂身や加工肉
  • バター、生クリーム、ラード
  • 揚げ物など脂質の多い料理
  • レバーや魚卵などコレステロールを多く含む食品(LDLコレステロール値が高い方)

タイプ別のポイント

◼︎LDLコレステロール値が高い方:コレステロールを多く含む食品や飽和脂肪酸のとりすぎに注意しましょう。

◼︎中性脂肪値が高い方:甘い飲み物や菓子類、アルコール、精製された炭水化物のとりすぎを控えましょう。

◼︎HDLコレステロール値が低い方:適度な運動や禁煙に加え、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸を意識して取り入れましょう。

※脂質異常症のタイプや管理目標には個人差があります。具体的な食事目標は担当医や管理栄養士にご相談ください。

管理栄養士おすすめレシピ3品

LDLコレステロール値が気になる方向けに、食物繊維・不飽和脂肪酸・良質なたんぱく質をバランスよくとれるレシピを選びました。

大豆とズッキーニのキーマカレー

ひき肉に大豆を組み合わせることで、飽和脂肪酸を控えやすくしたキーマカレー。ズッキーニも加わり、野菜もしっかりとれる一品です。

さばとブロッコリーのみそ炒め

不飽和脂肪酸が豊富な青魚に、食物繊維が豊富なブロッコリーを組み合わせた一品。飽和脂肪酸を控えながら、食べ応えもあるおかずです。

電子レンジで 厚揚げとなめこのみぞれ煮

植物性たんぱく質がとれる厚揚げを使った、油を使わずに作れる一品。なめこと大根おろしも加わり、食物繊維も補えます。

おいしい健康アプリの活用法

① 栄養価からのレシピ検索

「コレステロールが気になる」「青魚がとりたい」「食物繊維をとりたい」などの絞り込みで、脂質や取り入れたい食材を考慮したレシピを検索できます。

② プロフィール設定による最適化

「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」「脂質異常症」で登録すると、コレステロールや脂質に配慮したレシピが優先的に表示されます。

③ 食事記録での数値確認

食べたものを記録することで、脂質・コレステロールをとりすぎていないかを確認できます。毎日の食事で意識しながら続けてみてください。

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まとめ

「卵は絶対に食べてはいけない」「何個食べても問題ない」というわけではありません。大切なのは、自分の脂質異常症のタイプや健康状態に合わせて、卵との付き合い方を考えることです。

LDLコレステロール値が高い方は、卵を食べる場合は1日1個程度を目安にすると、コレステロール量を調整しやすくなります。また、卵だけを気にするのではなく、肉の脂身やバターなどに多い飽和脂肪酸を控え、青魚や、野菜・豆類・きのこ・海藻など食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れることが、血中脂質の改善につながると考えられています。

食事について迷ったときは、一人で悩まず、担当医や管理栄養士に相談することもおすすめです。

参考

  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
  • 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。脂質異常症の診断・治療については、必ず担当医や管理栄養士にご相談ください。

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士