近年、日本人の「主食」をめぐる議論が活発です。ご飯など炭水化物の摂取を控える「糖質制限食」がメディアを賑わす一方、「ご飯を美味しく食べつつ、無理なく健康管理を行いたい」という方も、数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方にオススメなのが、麦ご飯!そこで、麦ご飯の第一人者である東京慈恵会医科大学附属病院に、アドバイスをうかがいました。
食物繊維が白いご飯の4倍以上!
白いご飯(精白米)と麦ご飯では、栄養価の構成に大きな違いがあります。
例えば「麦3割・白米7割」の麦ご飯と、白米100%のご飯では、お茶碗一杯(200g)あたりの食物繊維に4倍以上の差が。仮に1日3食全てを麦ご飯にすれば、主食だけで7.8gもの食物繊維を摂取できます。1日あたりの食物繊維の摂取基準(※1)は、18歳以上の男性で19g、女性で17gですから、そのうち40%以上を麦ご飯でとることができます。食物繊維を十分に摂取することは、糖尿病や心筋梗塞リスクの低下につながり、便秘対策にも有効です。
さらに麦ご飯には、「β-グルカン」という水溶性の食物繊維が含まれています。β−グルカンの特徴は、ねばり気が強く、ゆっくりと消化される点。食後の血糖値の抑制や、コレステロール吸収を抑えるのに効果があります。
麦ご飯の強みは、これだけではありません。
麦ご飯には、ビタミンB1も豊富に含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える上で必要な栄養素。ビタミンB1が不足すると、疲労やむくみ、ストレス、集中力の低下を招きます。
これら豊富な栄養素に加え、白米に比べて「噛みごたえ」があることもポイント。満腹感が得られやすく、腹持ちも良くなるため、空腹時のドカ食いで血糖値が急上昇することを防ぎます。まさに、糖尿病やメタボ対策にぴったりの主食です。
この連載の記事一覧
- Vol.1:食生活の改善は、家庭の目線が鍵
- Vol.2:麦ご飯パワーで糖尿病対策