くらしの栄養学

「体重を増やしたい。食べても太れない…何から始めればいい?」管理栄養士に聞きました

おいしい健康の個別栄養相談には、日々さまざまな食事のお悩みが寄せられます。今回は「体重を増やしたい」というご相談にお答えします。

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体重を増やしたいのですが、食べてもなかなか太れません。もともと食が細く、たくさん食べるのも苦しいです。どんな食事から始めればいいでしょうか。

「体重を増やしたいのに、食べてもなかなか太れない…」そんなお悩みを聞くことが、最近増えています。
食が細い方にとっては、たくさん食べること自体が大変ですよね。
まずは、できそうなところから一緒に見ていきましょう。

A.まずは、食事の回数を増やしたり、少量でもエネルギーやたんぱく質を補える食品を取り入れたりすることから始めてみましょう。

一度にたくさん食べるのが難しい場合は、1日3食に加えて、間食を取り入れる方法もあります。体重が減ってきている場合や、病気の治療中の場合は、原因や体調に応じて、医師や管理栄養士に相談しながら進めましょう。

Q.体重を増やしたほうがいいのは、どんなときですか?

A.BMIは、体重が身長に対してどのくらいかを確認する目安のひとつです。

成人では、BMI18.5未満が「低体重」と判定されます。

BMIの目安

  • BMIの計算:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  • 低体重の判定:BMI18.5未満(日本肥満学会の判定基準)※3
  • 参考:目標とするBMIの範囲は年齢によって異なります。18~49歳は18.5~24.9、50~64歳は20.0~24.9、65歳以上は21.5~24.9です(日本人の食事摂取基準2025年版)※1

この範囲は、健康な方を中心とした集団の参考値です。ご自身の目標体重を、直接示すものではありません。

BMIだけで、栄養状態や体重を増やす必要があるかどうかが決まるわけではありません。BMIが範囲内でも、短期間で体重が減ってきたときは確認が必要です。

以前より体重が減ってきた、食べているのに体重が減り続ける、食事がとりにくい、疲れやすいといった変化があるときは、医師や管理栄養士にご相談ください。

Q.食べているのに、なかなか太れないのはなぜですか?

A.「食べているつもり」でも、使うエネルギーに対して食事量が足りていない場合があります。

太りにくい理由はいくつかあり、生活スタイルなど人によって異なります。思い当たる点がないかを確認し、下のことを試してみるのもひとつの方法です。

太りにくい理由の例と、試したいこと

活動量が多い:
運動習慣や立ち仕事が多いと、使うエネルギーも増えます。いつもの食事に、少しずつ食品を足してみましょう。
食事の回数が少ない:
朝食を抜く日や、夜が軽めの日はありませんか。食事の回数や時間をそろえ、間食も取り入れてみましょう。
食べにくさがある:
胃もたれや息苦しさ、かみにくさなどで、量が減っていることもあります。食べやすい食品や形を選びましょう。
実際の食事量がつかみにくい:
1週間ほど、食べたものを記録してみましょう。おいしい健康アプリの記録機能を使えば、間食も含めて1日の栄養を確認できます。

Q.体重を増やしたい背景によって、気をつけることは違いますか?

A.はい、年代や体調、病気の状況などによって適した食事は変わります。主な背景ごとの考え方をご紹介します。

背景別の考え方

若い女性:
食が細く、一度にたくさん食べるのが難しい場合は、食事を数回に分けたり、主食に卵や乳製品、大豆製品などを組み合わせたりして、エネルギーやたんぱく質を補いましょう。月経不順などの体調の変化があるときは、医療機関に相談することも大切です。
呼吸器疾患のある方:
息切れなどの影響で、食事がとりにくくなる方もいます。食事量が減ったり、体重が落ちてきたりした場合は、少量ずつ食べる、食べやすい形に調整するなどの工夫が考えられます。息苦しさが強いときや体重減少が続くときは、医療機関に相談しましょう。
高齢の方・低栄養を防ぎたい方:
低栄養(栄養が不足した状態)を防ぎ、筋肉や体の機能を保つことも大切です。食べられる量に合わせて、主食や主菜を組み合わせ、エネルギーやたんぱく質を補いましょう。かむ力や飲み込む力、持病によって適した食事は異なるため、必要に応じて医師や管理栄養士にご相談ください。
持病があり、食事に配慮が必要な方:
病気の状態や治療方針によって、適したエネルギー量や栄養バランスは異なります。体重を増やしたい場合も、自己判断で食事量を大きく変えず、主治医や管理栄養士に相談しましょう。

Q.普段の生活では、具体的に何をすればいいですか?

A.「間食を足す」「いつもの食事に食品をプラスする」「体重の変化を確認する」の3つから、できることを始めてみましょう。

今日からできる3つのこと

①間食を取り入れる
牛乳・豆乳、バナナとヨーグルト、チーズとクラッカー、小さなおにぎりなど、ご自身が食べやすいものを選びましょう。ナッツは少量でエネルギーを補いやすいですが、かむ力や飲み込む力に不安がある方は避けてください。

②いつもの食事に、エネルギーやたんぱく質を補える食品をプラスする
ご飯に卵や納豆を添える、みそ汁に豆腐や卵を入れる、パンにチーズをのせるなど。

③体重の変化を定期的に確認する
週1回など、朝食前の同じタイミングで量るとわかりやすいです。

食事量を増やすときは、いつもの食事に少しずつ食品を足す方法があります。たとえば、炊いたご飯を50g(約80kcal)と牛乳を200ml(約125kcal)加えると、合わせて約200kcalを補えます。

ただし、必要なエネルギー量は、体格や活動量、体重の変化、病気の有無などによって異なります。体重や食事量の変化を見ながら調整してください。体重が減り続けているときや、食事を十分にとれないときは、様子を見すぎず、医師や管理栄養士に相談しましょう。

一度にたくさん食べられないときは、食べやすい食品を選び、少量ずつエネルギーやたんぱく質を補いましょう。卵や豆腐、魚などを、いつもの食事に取り入れる方法があります。脂質の多い食品で胃もたれするときは、量や調理方法を工夫してみてください。

体重を増やしたいときに役立つレシピ5品

管理栄養士が、食べやすさと取り入れやすさを考えて選びました。

鮭と卵とほうれん草の彩り3色丼

鮭と卵、ほうれん草がのった彩りのよい丼です。1杯で、魚と卵のたんぱく質をとりやすい一品です。

簡単でしっとり鶏むね肉の親子丼

しっとりやわらかい鶏むね肉を、卵でとじた親子丼です。食べやすく、たんぱく質も補えますよ。

さば缶でトマトリゾット

さば缶を使うので、手間をかけずに作れます。1皿で主食とたんぱく質をとれるリゾットです。

しらすチーズおにぎり

しらすとチーズを混ぜた、手に取りやすいおにぎりです。食事の合間の間食にもおすすめです。

バナナきな粉ヨーグルト

バナナときな粉をヨーグルトに合わせるだけの手軽なデザートです。食欲があまりないときの間食にも取り入れやすいですよ。

おいしい健康アプリの活用法

①栄養価からのレシピ検索

レシピ検索時に「栄養価」のボタンから「たんぱく質がとりたい」「栄養補給のおやつ」などで絞り込んでレシピを検索できます。また、エネルギーの高い順に並べ替えると、エネルギーを補いやすいレシピを探せます。

②プロフィール設定による最適化

身長・体重・年齢・活動量や、疾患・制限を登録すると、ご自身に合った食事基準が設定され、条件に合ったレシピや献立が提案されます。

③管理栄養士に個別相談

「食べても太れない」「食が細くて増やせない」といったお悩みを、おいしい健康の管理栄養士にメールでご相談いただけます。

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まとめ

体重を増やしたいときは、一度に食べる量を無理に増やすのではなく、間食を取り入れたり、いつもの食事に卵や豆腐、乳製品などをプラスしたりする方法があります。

まずは、ご自身が食べやすいものをひとつ取り入れることから始めてみましょう。

ただし、体重が減り続けているときや、食事がとりにくい状態が続いているときは、食事の工夫だけで対応しようとせず、医師や管理栄養士に相談してください。

参考

日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士