飲み込みにくいと感じたら...食べやすくする調理やメニュー選びの工夫
公開日: 2026年4月3日
加齢や病気などにより、食べ物を飲み込みにくくなることがあります。「これまで通りの食事ではいけないの?」「家族と別の食事を用意する必要があるのでは?」など、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。ですが、いつもの食事を少し工夫するだけでも、食べやすく飲み込みやすい食事に近づけることが期待できます。ここでは、むせる、のどに残るなどの飲み込みにくさがあるときに意識したい食事の整え方をご紹介します。
飲み込みにくさを感じることはありませんか?

・水やお茶を飲むとむせる
・食べ物がのどに残る感じがする
・食後に声がガラガラする
・薬が飲み込みにくい
これらは、飲み込む力(嚥下機能)が弱っているサインの場合があります。
飲み込みがうまくいかないと、食べ物や飲み物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」が起こりやすくなり、誤嚥性肺炎につながることもあります。
なぜ「飲み込みにくい」と感じるのか?
・加齢による筋力の低下
・口の乾燥
・脳梗塞などによる嚥下機能の障害
・がん治療(手術・放射線治療など)の影響
・口やのどの手術後 など
飲み込みにくさの原因はさまざまですが、特別な食事を用意しなくても、調理の工夫や食材、メニューの選び方によって、飲み込みにくさを和らげることができます。
普段通りの食事でも、無理なく安全に食べられるポイントを知っておきましょう。
飲み込みにくいときの食事のポイント

誤嚥を防ぎ、安全に食べるためには、食べ物が口の中でまとまりやすい状態になっていることが大切です。自炊する場合、コンビニや外食を利用する場合のそれぞれの工夫のポイントをご紹介します。
※こちらで紹介している内容は、嚥下機能低下の初期段階の方を想定しています。飲み込む力がかなり低下している場合や、医師や言語聴覚士から食事形態(食べ物のかたさや大きさ、飲み物のとろみの程度など)の指示が出ている場合は、必ずその指示に従ってください。
自炊編:食材選びや調理法・調理道具で、飲み込みやすくするヒント
食材の選び方
<そのままでも食べやすい食べ物>
程よく水分を含み、やわらかくのどごしが良い食材です。
お粥、豆腐、卵料理(スクランブルエッグ、卵豆腐、温泉卵など)、刺身(まぐろのとろ、甘えび、いくら、ほたて貝柱など)、ねぎとろ、とろろ、アボカド、バナナ、ヨーグルト、プリン、ゼリー、水ようかん

<調理の工夫で食べやすくできる食べ物>
調理の工夫で、やわらかく、口の中でまとまりやすくすることができます。
・ご飯:水分を増やして炊く(軟飯)、お粥や雑炊にする
・パン:フレンチトースト、パン粥にする
・うどん:やわらかくなるまで煮込む
・肉、魚:煮る、薄く切る、ひき肉を使う(ハンバーグなど)。脂の多い魚や肉は、加熱してもかたくなりにくく、比較的食べやすい
・野菜(にんじん・大根・いもなど):加熱するとやわらかくなる野菜は、煮たりつぶしたりする
・揚げ物など衣がかたくパサつくもの:卵とじやあんかけ料理にして衣をしっとりさせる

<避けたい食材や料理>
・れんこんやごぼう、こんにゃくなど、加熱してもやわらかくなりにくい食品
・わかめや海苔など、口の中に貼り付きやすいもの
・もちなどベタベタするもの
・揚げ物などパサついてかたい料理
・汁物やスープパスタなど、さらさらとした水分の多い料理

調理のポイント3つ
ご家族に、飲み込みに配慮が必要な方がいる場合でも、ちょっとした調理の工夫で、家族と一緒の食事を楽しむことができます。3つのポイントをご紹介します。
切り方の工夫
①噛んでも口の中に残りやすい食材は「小さく切る」
ひき肉のように小さく刻んだ食材を使うのもよいでしょう。
きのこ類など繊維が強い食材は、口の中に残りやすいため注意が必要です。
②「薄く切る」
豚肉や牛肉は薄切り肉やしゃぶしゃぶ肉を使うと食べやすくなります。
③「斜め切りにして繊維を断ち切る」
長ねぎなど繊維のある野菜は斜め切りにします。
加熱時間を長めにとり、やわらかく仕上げる
調理法は「煮る、ゆでる、蒸す」
パサつきを防ぐために、水分を逃しにくい料理(煮込み、あんかけ、蒸し焼きなど)がおすすめです。
煮る、ゆでる、蒸す(電子レンジ加熱を含む)などの調理法で、食材をやわらかくします。通常のレシピでも、加熱時間を少し長めに調整しやわらかく仕上げましょう。
おすすめレシピ
口の中でバラつく食材は、「つなぎ食材」でまとまりやすく
①マヨネーズやドレッシングなどであえる
マヨネーズのような粘りのある調味料とあえるとまとまりやすくなります。ゆで卵はパサつきやすいため、細かく刻んだり潰してからあえるのがおすすめです。
おすすめレシピ
②とろみをつける
みそ汁やスープなどさらさらした汁物は、少しとろみをつけるだけで喉の通りがゆっくりになるので、誤嚥の予防につながります。
・水溶き片栗粉や市販のとろみ調整食品でとろみをつける
・野菜などの具材とスープを一緒にミキサーにかけてポタージュ状にする
おすすめレシピ
③たれやソースをかける
とろみのあるたれやソース(しょうゆあん、クリームソースなど)を活用します。
おすすめレシピ
食材をやわらかくしたいときに役立つ調理器具やキッチンツール
・圧力鍋
肉などを短時間でやわらかく煮ることができます。
・低温調理器
低温でじっくり火を通すことで、肉などがやわらかく仕上がります。
・シリコンスチーマー
食材を電子レンジで蒸すときに便利です。
・ミキサー、フードプロセッサー、ハンドブレンダー
かたいものでも細かくすることで食べやすくなります。
コンビニ・惣菜編:コンビニ食材やお惣菜を活用した簡単レシピ
飲み込みに配慮が必要とはいえ、毎回自炊するのは大変なことです。実は、コンビニやスーパーなどのお惣菜はやわらかく仕上げているものも多く、手軽に活用できるものがたくさんあります。
ここでは、手軽に飲み込みをサポートしてくれるおすすめ食品や温めるだけで作れる簡単レシピをご紹介します。
手軽にできるひと工夫
①たれやソースはレトルト食品を活用
たれやソースを毎回作るのは大変ですよね。レトルトのパスタソースやシチュー、中華丼の素は、すでにとろみがついているので温めるだけで使用できる、手軽で便利な食品です。
特にクリームシチューやカルボナーラソースは、エネルギーやたんぱく質も補えるので、食欲が低下している方の栄養補給にもおすすめ。保存がきくので、備蓄用にストックしておくと安心です。
②バラつきやすいものはマヨネーズや温泉卵を活用
お惣菜やお弁当のおかずの中には、口の中でバラつきやすいものも。マヨネーズや温泉卵、豆腐などをプラスして一緒に和えることで、飲み込みをサポートしてくれます。少量でたんぱく質も補えますよ。
③カット野菜やサラダは電子レンジでやわらかく
コンビニ食材やお惣菜は野菜不足も気になりますよね。そのままでは硬く、飲み込みにくい生野菜のサラダやカット野菜も、加熱することでしっとり食べやすく仕上がります。
①②で紹介したマヨネーズやソースなどであえれば、さらに飲み込みやすく◎
外食編:どんなメニューが飲み込みやすい?
飲み込みに不安がある場合でも、メニューの選び方によって、外食も十分楽しむことができます。

比較的食べやすい外食メニュー
・カレーライス
・リゾット、お粥、雑炊
・親子丼
・あんかけ料理(中華丼、あんかけ焼きそばなど)
・麻婆豆腐(辛すぎるとむせるため注意)
・グラタン、ドリア
・シチューやポタージュスープなど、とろっとした料理
・煮込みハンバーグなど、やわらかくソースが絡んだ料理
・コロッケなど、つぶすと衣がしっとりする料理
おいしい健康アプリでは「飲み込みにくい」方のためのレシピを提案中
おいしい健康アプリでは、治療に伴う副作用や後遺症などにより飲み込みにくさを感じる方のために、次のようなレシピを優先的に提案しています。
・かたいものや弾力のあるものを控えたレシピ
・酸味の強いものを控えたレシピ(むせ防止)
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※紹介している食品や料理はあくまで一例です。
※医師や言語聴覚士から食事形態(食べ物のかたさや大きさ、飲み物のとろみの程度など)の指示が出ている場合は、必ずその指示に従ってください。













