気温が上がると血圧も変わる。夏の血圧管理に役立つ食事のポイント
公開日: 2026年6月10日

夏が近づくと、「血圧の薬の量を見直しましょう」と医師から言われた経験はありませんか? 実は、気温の変化は血圧にも影響を与えることがあります。
暑い季節は血管が広がりやすく、血圧が下がる傾向がありますが、だからといって安心できるわけではありません。脱水・急な温度差・食欲の低下など、夏ならではのリスクが血圧を不安定にすることがあります。
今回は、夏の血圧管理に役立つ食事のポイントをご紹介します。
夏に血圧が変わりやすい理由
気温が上がると、体は体温を下げようと皮膚の血管を広げます。血管が広がると血液が流れやすくなるため、血圧は下がりやすくなります。これ自体は体の自然な反応です。
しかし夏には、血圧を不安定にする要因が重なりやすいのも事実です。
脱水で血圧が乱れる
汗をたくさんかくと体内の水分が失われ、血液の量が減ります。その結果、血圧が下がりやすくなったり、めまいや立ちくらみを起こしやすくなったりします。血圧を安定させるためには、こまめな水分補給がとても大切です。
急な温度差が血圧を揺さぶる
冷房の効いた室内から炎天下に出たとき、あるいは屋外から冷房の効いた室内に入ったときなどは、血管が急に収縮・拡張します。この変化が血圧の変動につながることがあります。夏は室内外の温度差が大きくなりやすいため、体を冷やしすぎない工夫も大切です。
食欲低下による栄養不足
夏バテで食欲が落ちると、野菜や主食が不足しがちになります。カリウムや食物繊維など、血圧管理に関わる栄養素も不足しやすくなるため、食事の内容にも気を配りたい季節です。
【まとめ】夏に血圧が変動しやすい3つの要因
① 発汗による脱水 → 血液量の変動
② 室内外の温度差 → 血管の急な収縮・拡張
③ 夏バテによる食欲低下 → 栄養素不足
夏前に意識したい、血圧管理の食事ポイント
ポイント1 こまめな水分補給で脱水を防ぐ
血圧を安定させるためには、体の水分量を保つことが基本です。のどが渇く前に、水や麦茶などを少量ずつこまめに飲む習慣をつけましょう。
起床時・食事中・外出前後・入浴前後など、タイミングを決めて飲むと習慣化しやすくなります。
水分補給のポイント
- のどの渇きを感じる前から、こまめに水分を補給する
- 水や麦茶などを基本にする
- 大量に汗をかいた場合は、スポーツ飲料が役立つこともあるが、日常の水分補給は水や麦茶を中心にする
※ 心疾患や腎臓病のある方は、水分量の制限が必要な場合があります。必ず担当医・管理栄養士にご確認ください。
ポイント2 夏も変わらず減塩を続ける
「夏は血圧が下がるから、塩分を少し増やしても大丈夫」と思われがちですが、食塩摂取量の目標量は季節を問わず変わりません。高血圧の方は1日6g未満を目指しましょう(日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」)。
夏は食欲がないとき、麺料理や漬けものなど塩分が多くなりやすい食品を選びがちです。夏こそ意識的に塩分を見直してみましょう。
夏の減塩アイデア
- 麺類の汁は飲まずに残す(スープには食塩が多く含まれる)
- だしや酢、レモン汁を使って塩分を減らしながらうま味や酸味を活かす
- 漬けものや梅干しは少量にとどめ、食べる量を意識する
1日の食塩摂取目標量:高血圧の方は6g未満、一般成人は男性7.5g未満・女性6.5g未満(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」)
ポイント3 カリウムで余分な食塩の排出をサポート
カリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿として排出するのを助ける栄養素です。野菜・果物・豆類に多く含まれており、減塩とあわせて意識したい栄養素のひとつです。
夏に旬を迎えるトマト・きゅうり・なす・枝豆などはカリウムが豊富で、さっぱり食べやすいのも魅力です。血圧管理の一助として、夏野菜を意識して取り入れてみましょう。
夏に食べやすいカリウム豊富な食材
野菜:トマト、きゅうり、枝豆、オクラ、なす、ほうれん草
果物:スイカ、桃、バナナ、キウイ
その他:納豆、豆腐、いも類(さつまいも)
※ 腎臓の機能が低下している方は、カリウムの摂取制限が必要な場合があります。担当医や管理栄養士にご相談ください。
ポイント4 夏バテでも栄養バランスを保つ工夫
食欲が落ちる夏は、主食だけになったり、麺類や冷たい食事に偏ったりしがちです。エネルギーや栄養素が不足すると体の調子が崩れ、血圧の管理もしにくくなります。
食欲がないときは「量を減らしながらも栄養素はしっかり確保する」ことを意識してみましょう。
- 冷ややっこや枝豆、トマトなど、食べやすい副菜を添える
- そうめんやざるそばには、卵・豆腐・蒸し鶏などのたんぱく質をプラスする
- 汁物や副菜で野菜を補う
- 果物(スイカ・桃など)で水分やカリウムを補給する
管理栄養士がおすすめするレシピ3品
夏に食べやすくて減塩・カリウム補給を助けるレシピをご紹介します。
トマト豚しゃぶ
豚肉でたんぱく質を補いながら、トマトやきゅうりで水分やカリウムが補える、暑い季節にぴったりの一品です。
具沢山冷やし中華
鶏肉や卵、たっぷりの野菜を一皿で楽しめる彩り豊かな冷やし中華です。手作りだれにすることで塩分を抑えられるのもポイント。
さば缶で簡単冷汁
さば缶を使うことで手軽にたんぱく質を補え、干物を使う場合に比べて塩分も調整しやすい冷汁です。みょうがや大葉などのさわやかな香りを楽しめます。
おいしい健康アプリの活用法
夏の食事管理をもっとラクに続けるために、おいしい健康アプリを活用してみませんか。
▶ プロフィール設定で、あなたに合ったレシピを表示
「高血圧」「血圧が高い」などを登録すると、食塩が少なくカリウム豊富なレシピが優先して表示されます。
▶ 食事記録で、1日の塩分量が確認できます
食べたものを記録することで、1日の食塩摂取量の目安が確認できます。夏は麺類や漬けもので塩分が増えやすいので、記録で振り返る習慣がおすすめです。
夏の血圧管理、まず1つから始めてみましょう
夏は血圧が安定しやすいシーズンでもある一方、脱水・温度差・食欲低下によって乱れやすい季節でもあります。
大切なのは、①こまめな水分補給、②減塩を続けること、③バランスのよい食事を心がけることです。急に全部変えなくていいので、まずは水分補給や食事の見直しなど、できることから始めてみてください。毎日の小さな積み重ねが、血圧の安定につながっていきます。
参考
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
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