夏の食欲不振と妊娠中の栄養管理|管理栄養士が教える食べやすい食品とレシピ
公開日: 2026年7月6日

暑い季節、お腹の赤ちゃんのためにしっかり食べたいけれど、食欲がわかなくて困っている…妊娠中の方にそんな声が多い時期です。
妊娠中は体温が上がりやすく、暑さへの負担を感じやすい時期です。さらに子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫されるため、一度にたくさん食べることが難しくなってきます。
「食べられない日があっても大丈夫?」「どんなものなら口に入りやすい?」——そんな声に、おいしい健康の管理栄養士が、妊娠中の方の夏の食事のポイントをまとめました。無理なく栄養を補う工夫を、一緒に考えていきましょう。
暑い時期に妊娠中の方が食事で気をつけたいこと
夏の妊娠中に食事が乱れやすいのには、いくつかの原因があります。
食欲が落ちやすい理由
暑さで体温調節にエネルギーが使われたり、自律神経のバランスが乱れたりすると、胃腸の働きが低下し、食欲が落ちやすくなります。また、妊娠中は大きくなった子宮が胃を押し上げるため、少し食べただけで満腹感を覚えやすい状態です。
食欲がないとき、無理に「完食しなきゃ」と思う必要はありません。少量でも食べられるものを、こまめに口にするほうが体の負担は少なくなります。
水分不足が栄養バランスに影響することも
暑さで汗をかくと、水分とともにミネラル(特にナトリウムやカリウム)も失われます。水分が足りないと血液の循環が悪くなり、体がだるく感じられることがあります。
妊娠中の水分補給の目安は1日1.5〜2L(食事からの水分を含む)とされています。のどが渇いてから飲むのではなく、少量をこまめに補給するよう心がけてみましょう。
※むくみや妊娠高血圧症候群が気になる方は、水分・塩分のとり方について担当の医師にご相談ください。
食べやすいものを選ぶ3つのポイント
夏の食欲不振のときに無理なく食べるためのコツをご紹介します。
ポイント① 冷たくて口当たりのよいものを活用する
冷えたものは、食欲が落ちているときでも口に入りやすいことがあります。ただし、冷たいものの食べすぎは胃腸に負担がかかるため、量に気をつけながら活用しましょう。
食べやすいもの例
- 冷やしたヨーグルト(カルシウム・たんぱく質が補える)
- 豆腐(冷ややっこ) ※消化がよく、やわらかくて食べやすい
- フルーツ(すいか・ももなど) ※水分と一緒に補える
- 冷たいうどん・そうめん ※消化しやすく、食べやすい
- アイスクリーム・牛乳 ※カルシウム補給に(食べすぎには注意)
ポイント② さっぱりした味付けで食べやすさを工夫する
脂っこいもの、においの強いものは食欲がないときに敬遠されがちです。さっぱりとした味付けを意識すると、食べやすさが増すことがあります。
酢やレモンなど酸味のある調味料や食材はさっぱりとした風味になり、食欲がないときでも食べやすく感じられることがあります。
ポイント③ 少量でも栄養を補える食品を意識する
食が細くなりがちな夏は、少ない量で栄養を補える食品を取り入れることが大切です。妊娠中に特に意識したい栄養素と、含まれる食品の例をまとめました。
妊娠中に意識したい栄養素と食品例
鉄:小松菜、枝豆、豆腐、納豆、あさり
たんぱく質:卵、ヨーグルト、豆腐、ちりめんじゃこ
葉酸:枝豆、ブロッコリー、納豆、ほうれん草
カルシウム:牛乳、ヨーグルト、チーズ、小松菜
ビタミンB1:豚肉、大豆製品、玄米
夏でも食べやすい食事パターン例
食欲がない日は「1食でバランスよく」にこだわらず、1日トータルで必要な栄養がとれていれば大丈夫です。以下のような軽めの食事でも、うまく組み合わせると栄養を補えます。
食欲がないときの食事例
食欲がない朝:ヨーグルト+バナナ、または牛乳+おにぎり1個
暑い昼:冷やしそうめん+さば缶、または冷ややっこ+ご飯少量
夕方のおやつ:プルーン・フルーツ・チーズ・牛乳
夕食がすすまないとき:卵雑炊、または冷たいお茶漬けに焼きさけをのせて
管理栄養士がおすすめする夏のレシピ3品
鉄・たんぱく質・葉酸などを補いながら、調理時間が短く、暑い日でも食べやすいレシピを3品ご紹介します。
① 厚揚げと小松菜の甘辛そぼろ炒め
鉄・たんぱく質・葉酸・カルシウムをまとめて補える主菜です。甘辛い味付けで食欲がない日にも食べやすい一品。
② さばみそ煮缶の豆乳ごまだれうどん
さっぱりとした冷たいうどんで、食欲がない日でも食べやすい一品。青魚と豆乳でたんぱく質も補いながら、するりと食べられます。
③ 豆腐の冷やしみそ汁
食欲がないときでも冷たいままするりと食べられる一品。豆腐でたんぱく質とカルシウムも補えます。
おいしい健康アプリの活用法
① プロフィール設定で、あなたに合ったレシピが提案されます
プロフィールから「妊娠中」を設定すると、妊娠中にとりたい栄養素を意識したレシピが優先的に表示されます。
② お悩みからレシピを探せます
「つわり」「食欲がない」「たんぱく質がとりたい」などのお悩みで、体調に合ったレシピを見つけることができます。
③ 食事記録でたんぱく質量を確認できます
食べたものを記録することで、1日のたんぱく質摂取量の目安が確認できます。「今日はこれだけ食べられた」と可視化するだけでも、安心感につながります。
まとめ
妊娠中の夏は、食欲不振や水分不足が重なりやすい時期です。ポイントを振り返ってみましょう。
- 食欲がないときは、少量でも食べやすいものをこまめに口にする
- 冷たくて口当たりのよいもの(ヨーグルト・豆腐・フルーツなど)を上手に活用する
- 鉄・たんぱく質・葉酸など、妊娠中に必要な栄養を意識した食品選びをする
- さっぱりした味付けや酢・レモンの酸味で、食欲を引き出す工夫をしてみる
- 水分はこまめに補給し、熱中症に気をつける
※食事のことで不安を感じたときは、担当の医師や管理栄養士にご相談ください。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」
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