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美肌とダイエットの頼れる味方!旬のベリーで冬太り改善

【連載】食でかなえるステイヤング 第4回(文:槇原朋也/監修:西沢邦浩)

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健康医療ジャーナリスト・西沢邦浩さん監修による、若々しく健康に生きるための食を考える連載企画。

第4回目は、そのままデザートにもなり、スイーツでもよく使われる食材「ベリー」に注目。この時期のベリーといえば、クリスマスケーキや、旬のいちごをメインとしたビュッフェやアフタヌーンティーを思い浮かべる方も多いことでしょう。

老若男女問わずこの時期に見かけると心躍るベリーですが、今回は美肌やダイエットに役立つ美容・健康要素に着目。ベリーについて学んだあとは、おいしい健康の管理栄養士がピックアップした頬っぺが落ちるほどおいし~い“お手軽ベリーレシピ6品”をご紹介します!

美肌に役立つ栄養がつまったベリー

日々、寒風にさらされて、乾燥肌が気になるこの季節。保湿成分をたっぷり含んだ化粧品を使って外からガードすることも大切ですが、皮膚の健康を保つためには、皮膚によいとされる栄養を十分にとり、内側からケアすることが不可欠です。

中でも気になるのが、皮膚の老化につながる酸化ストレスです。

酸化ストレスは、肌のしわやたるみ、ハリを失わせる大きな要因です。紫外線やタバコ、大気汚染といった肌表面で直接酸化ストレスを発生させるダメージ源から、仕事などによる心理的ストレスまで発生要因はいろいろ。さらに、私たちは呼吸によって取り込まれた酸素を使って生きていますが、その過程でも活性酸素が発生します。

この活性酸素が過剰に発生すると体の酸化を促すのが問題。その結果、細胞にダメージが蓄積し、皮膚のコラーゲン老化・変質、こうした皮膚の老化につながっていくのです。 とはいえ、対処法はもちろんあります。美肌を目指すためには、酸化ストレスを抑える働きのある抗酸化物質をとることが大切。

抗酸化作用が期待できる食材はいろいろありますが、中でもベリーはおすすめです。ベリーの中に含まれている抗酸化が期待できる栄養素として、注目したいのがビタミンC、アントシアニン、エラグ酸。

1. 肌の健康が促されるビタミンC

ビタミンCは、抗酸化物質として最もよく知られている栄養素の代表格(※1)。ベリーの中でもいちごのビタミンC含有量は、トップクラスで、成分量100gあたり62mgも含まれています(※2)。しかも、ほかの野菜や果物と比べても、いちごのビタミンC含有量は多く、レモンや青ピーマンと遜色ない数値です(下図参照)。

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※クリックすると拡大します。

また、ビタミンCは、ナッツなどに多く含まれる抗酸化物質ビタミンEと一緒にとると、抗酸化力がより効率的に働きます(※3)。一度働いて失われたビタミンEの抗酸化作用は、ビタミンCによって復活することができるのです(還元といいます)。

さらに、ビタミンCは、皮膚のコラーゲンを合成する際に欠かせない栄養素としても知られています(※4)。抗酸化物質として、コラーゲンの減少を抑えるだけでなく、増やすことも期待できます。

2. 目の保護作用で注目を集めるアントシアニン

ポリフェノールの一種、アントシアニンは、スマートフォンやパソコンなどの光刺激や太陽の紫外線から目を守る予防成分として近年、注目を集めています(※5)。多くの果物や野菜の色のもとになる青紫色の天然色素であり、ブルーベリーやビルベリー、ブラックベリー、ブラックラズベリーに多く含まれています(※1,5)。

3. 美容液でシミの抑制作用の成分として使われるエラグ酸

シミのもとのメラニンが作られるのを抑える成分として化粧品にも使用されているエラグ酸。実は化粧品として塗るだけでなく、食べても効果があるといわれています。ある研究では、エラグ酸を多く含むザクロから抽出した栄養素をとると、シミが抑えられたことが報告されているのです(※6)。エラグ酸のもとになるのが、ベリーに含まれるエラジタンニンで、特にいちごやラズベリー、ブラックベリーに多く含まれます(※1)。

栄養補給&ダイエット!体型が気になる方におすすめのベリー

冬の肌トラブルも気になりますが、一方でイベントや外食が続くこの時期は冬太りも気になりますよね。肌対策におすすめのベリーですが、実はダイエットにもうれしい側面があると数々の研究で報告されています。あの小さなひと粒で、カロリーや脂質の摂取量を抑えながら、ビタミンや食物繊維、ミネラルなどの豊富な栄養素をわたしたちに供給してくれる頼りがいのあるフルーツなのです。

ベリーに含まれるアントシアニンとエラグ酸では、体重やBMIの増加を抑制するという研究報告があります(※1)。特にエラグ酸は、機能性表示食品の機能性成分になっており、BMI値の改善に役立つとされています(※7)。

気になる糖質ですが、いちご1粒(25gの場合)は約1.8g、ブルーベリー1粒(1gの場合)は約0.1g、ラズベリー1粒(2gの場合)は約0.1gしか含みません(※2)。品種によっては糖質の高いものもありますが、フルーツの中では比較的糖質が低いのがベリーです。 冬の美肌とダイエットの大きな味方ともいえる旬のベリー。こうなると、いちごやベリーの入ったおいしいスイーツ、気になりませんか。

パーティー&ダイエット!ベリーを使ったおすすめレシピ6選

そこで、家で手軽にベリーを楽しめるレシピをご紹介。みんなでワイワイパーティーを楽しむのにぴったりなスイーツと、体型が気になる方向けに100kcal未満のエネルギーに抑えたスイーツを取り揃えました。

イベントにおすすめパーティーレシピ3選

いちごのトライフル
市販のスポンジケーキを使った簡単デザート。生クリームの代わりにギリシャヨーグルトを使って脂質を抑えました。
カロリー控えめ メープルココアカップケーキ
砂糖不使用、バター控えめのカップケーキ。甘いものが食べたいけど、カロリーが気になる方にもどうぞ。
チョコレートムース ラズベリーソース
チョレートムースとラズベリーの甘酸っぱいソースの組み合わせがたまらない本格デザート。クリスマスやおもてなしに。

摂取エネルギーを100kcal未満に抑えたダイエットレシピ3選

ブルーベリーバナナヨーグルト
朝食や食後のデザートにおすすめ。冷凍のブルーベリーはそのままでも、解凍してからでもお好みの硬さでトッピングしてください。
ストロベリーヨーグルト
ヨーグルトに甘酸っぱいいちごと冷凍ブルーベリーを添えたデザート。盛り付けをくふうすればおもてなしにもぴったりです。
小松菜ベリースムージー
鉄分や葉酸、食物繊維やカルシウム、ビタミンA・C・E、B群と1杯で女性が摂りたい栄養素が補えるスムージー。

※1:Golovinskaia O, Wang CK.;Molecules. 2021;26(13):3904.
※2;日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※3:Pullar JM, et al.:Nutrients. 2017;9(8):866.
※4:e-ヘルスネット「コラーゲン」
※5:小川健二郎, 原 英彰:岐阜薬科大学紀要. 2016;65:20-27.
※6:Kasai K, et al.:J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2006;52(5);383-388.
※7:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」

【西沢 邦浩さん連載「食でかなえるステイヤング」】
第2回 世界が認める健康食材「ナッツ」でヘルシースナッキング
第3回 前編 コロナの症状緩和で海外医師も注目!「納豆」の新世界
第3回 後編 フランス人も魅了!世界の納豆料理探究 【アジア料理のレシピ3品付】
そのほか、西沢 邦浩さん記事はこちら

監修
西沢 邦浩さん
早稲⽥⼤学卒業。⼩学館を経て、91年⽇経BP社⼊社。98年『⽇経ヘルス』創刊と同時に副編集長に着任。2005年より編集⻑。08年に『⽇経ヘルス プルミエ』を創刊し編集長をつとめる。2014年⽇経BP総研 マーケティング戦略研究所上席研究員、16年より同主席研究員。2018年4⽉より⽇経BP総研 メディカル・ヘルスラボ客員研究員。ほかに、同志社⼤学⽣命医科学部委嘱講師、⽇本腎臓財団評議員などを務める。 著書に、『⽇本⼈のための科学的に正しい⾷事術』(三笠書房)など。


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編集:おいしい健康編集部
文:槇原朋也
監修:西沢邦浩