これから暑くなるこの時期に気をつけたい熱中症。
そもそも、熱中症を引き起こす要因としては大きく3つ。
高い気温や湿度などの環境によるものや、年齢や体調、栄養状態によるものです。
さらに慣れない運動や炎天下での活動、長時間での屋内作業なども大きな要因となっています。
普段から適切な水分補給や、バランスの良い食事を摂ることは熱中症予防には必要不可決!
ここではおいしい健康の管理栄養士が、主に食事で気をつけたいポイントをご紹介します。

唐澤 弥子
「熱中症予防」のポイント
1. 水分補給をこまめに

喉が乾く前に水分補給を!
喉が乾いたと感じたときに飲む水の量は、実際に体が必要としている量の2/3にしか満たないといわれます。
体重の3%〜4%の水が失われると、運動機能・体温調節機能が失われて、重篤な脱水や熱中症の原因に。
喉が乾く前に一度にカブ飲みはせず、こまめに水分補給をしましょう。
また大量に汗をかいた場合は、水分だけの摂取だけではかえって体液の塩分低下により熱痙攣(ねつけいれん)などを起す原因に。
水分と共に損失したナトリウムなどのミネラルや、糖質の補給をすることが大切です。
また、5〜15℃に冷やすと飲みやすく、胃から腸への通過も速くなるため、吸収が速く、体温上昇の抑制効果があります。
2. 失われる栄養素の補給を
汗をかいた際、水分とともに失われるのがミネラル類。
マグネシウムは血圧や体温の調整に。特にナトリウムやカリウムは、生命活動の基盤となる細胞内の浸透圧を維持し、体内の水分調整に働きます。
また、夏バテはカリウム不足が原因のひとつともいわれ、筋肉でエネルギー作りに働くカリウムが不足すると力が出ないなんてことも。
特に欠食の多い方は、水分だけでなくミネラルや、エネルギー代謝などに働くビタミン類も不足しがちなので熱中症のリスクも上がってしまいます。
さらに大量に飲酒した際や、寝不足などが原因で体調がすぐれない際も要注意です。脱水を起こしやすい高齢の方や乳幼児は十分に気をつけましょう。
生活習慣病の方は心筋梗塞など、重篤な疾患の引き金にも…。
熱中症の予防には、野菜や果物をしっかり取り入れたミネラル豊富なバランスの良い食事を心がけましょう。